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不動産コンサルタント |
倉 橋 レ ポ ー ト |
2010年10月号 |
現在、新商品開発に取り組んでいる!
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先日、当社が保有運営している「城ヶ島 遊ヶ崎リゾート」で新たな取り組みを開始した。
この取り組みは、安全性と耐久性を目的とする塗料の新商品開発である。従来の塗料は、揮発性有機化合物「VOC(volatile organic compounds)」が多く含まれており、その為にシックハウス症候群などの健康被害を引き起こしている。VOCは塗料の揮発性を向上させて作業効率を上げる為に添加されているもので、実は、これらが引き起こす環境被害にまでは考えられていなかった。ところが昨今のこの健康被害が叫ばれるようになり、日本の塗料メーカーにおいても、この「VOC」の含有量を減らす努力をし、水性塗料においては、かなり減少させることができている。しかし油性塗料においては技術的に難しいことから、いまだ開発が進んでいないし、併せて、既に市場に出回っている商品を変更させるのも大変であるし、揮発性が低下すれば施工性能も低下するから、あまり普及が進んでいない。
今回、我々が開発しているのは、無機無溶剤の油性で、VOCが「0」である。
実は、既に存在していて、日本と米国で特許も取得しているものであり、橋梁工事等の公共事業には使われている素材である。特に鉄部に使われるのには相性がよく橋梁工事の他にも、軍事基地などのレーダーの塗料に利用されており、橋梁工事では15年前の施工で他社製品との比較が明確になっており、実証済みのものである。
この塗料を利用し、住宅建材等に利用できるようにしようと考えている。
塗装とコーティング材というのは、本来、異物と考えやすいが、無機無溶剤の原料の場合、同物異名な考え方ができ、またVOCが含有されていないから、乾燥速度が遅く、塗膜の厚みを調整できるというメリットがある。今回、「城ヶ島 遊ヶ崎リゾート」で実験したのは、大浴場の全部、共同トイレ、そして抗菌剤を含めてキッチン周りのコーティングと床の塗装を行った。また、ちょっともったいないが、レストランの床部分も表面を削ってコーティングしてみた。
効果として、撥水性能は凄いものがある。鏡、壁のタイル面の水分は、すべて水滴となって落下するので、汚れも付着しない。また、今回、トイレとキッチン周りには抗菌材を含有した塗料を使用したので、臭いも少なくなったし、ヌメリ感も減少した。また、実は、この塗膜は自動車にも施工することができるということで、この部分は、プロに任せ、私の愛車S2000に施工してもらったのだが、埃が付着しにくいだけでなく、雨が降ると汚れが落ちやすく、驚くのはブレーキダスト(タイヤのホイール部分にブレーキシューの粉がこびりつくもの)が付着しない。これらの現象は、実際、施工してみないと分からなかった。新技術というものは、結構、いい加減なものも多く、私自身、気をつけるようにしているが今回の開発には、驚かされるものがある。顧客に紹介する前にはやはり検証が必要であると考えているが、まず第一歩は正解である。
今後、三崎港のバスターミナル前のビルにも施工するようにしており、ここでの検証結果が出れば、皆さんにご紹介したいと考えている。
「この塗料が世の中にでてしまうと、大手の塗料メーカーに大きなダメージを与えてしまう。だから普及させるには、大きな障壁が発生してしまう」とは、開発メーカーの言である。かなり面白い展開になるのではないかと思っている。
また同時並行で進んでいるのが「カーボン床暖房」。これはヒートプラスという商品名であるが施工はしやすく、低燃費。CFネッツの加盟店も巻き込んで、メーカー交渉を済ませ、今年の冬に向けて営業を開始している。(お問合せは045−832−7440)
簡単な話、従来の床暖房は、電気の熱線式か温水式の二通りであったが、温水式の場合、施工費は高い上に故障が生じるとどうにもならず電気の熱線式だと施工はし易いがランニングコストは高い上、電磁波の影響なども考慮しなければならない。そこで新たな製品が開発され、当社が注目したのが「カーボン式」。施工がし易い上、故障が少ない。おまけに施工コストも、ランニングコストも少なくて済む。当社の調べでは、10畳間を基準に比較すると、温水式だと、初期費用が約62万円で、灯油代が月額4500円。電気熱線式だと初期費用が約55万円、電気代が月額6600円である。そこでヒートプラスの場合、初期費用は約31万円、電気代は月額2330円と安い。また現状の状況にもよるが、フローリング材等の部屋では、釘ひとつ打たなくても、その上に施工出来てしまうし、片付けも出来たりする。つまり賃貸住宅などの場合は、引越しの際、持ち運びが可能だということである。これについてもまずは社員の家に施工してみて検証してみたのだが、大変、好評である。
さらに、このヒートプラス、当社で施工すると、何と20万円程度で出来てしまう。
今年の冬、床暖房を希望されている方は、ぜひ、試して頂きたいと思う。
現在、当社CFネッツ、及びグループ各社は、新たな取り組みにチャレンジしている。日本経済の先行きが不透明な現在、大変大きなチャンスが潜んでいる訳だが、今回のようにメーカーと直接的な交渉や提携などが出来るチャンスは、さほど多いわけではなく、逆に言えば、今でなくては、かようなチャンスなどなかったのではないかと思う。
「幸運の女神に、後ろ髪はない」とはよく言ったもので、常にチャンスとは目の前を通り過ぎて行くものである。かつてバブル好景気の時代では、我々のような中小零細企業にメーカーが、直接、取引をすることなどなかった。つまりチャンスが少なかった訳だが、現在は大きく変わってきている。また、併せて、当社の知名度も高まり、そして全国展開によって、相互メリットが生まれたからなのかもしれない。
いずれにしても、まだまだチャンスが広がってきている以上、CFネッツグループ快進撃を続けてゆきたいと考えている。 |
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