神奈川県最南端ラーメンの銘店「三崎港ラーメン」独占取材 (元原稿ママ)

外観

三崎港ラーメン 外観

木目を基調とした店内1

木目を基調とした店内1

木目を基調とした店内2

木目を基調とした店内2

暖簾のデザインと同じどんぶり

暖簾のデザインと同じどんぶり

外観 ※P撮り直し

外観 ※P撮り直し

暖簾を潜ると、木目を基調とした温かみのある内装が印象的。暖簾そのもののデザインが、何とどんぶりと一緒。聞けば、日本人で初めて大英博物館で個展を開いたという澤田痴陶人氏の作品のデザインだそうだ。外観は、店舗が建てられた半世紀以上前のままで、漁師街の景観に馴染んでいる。この漁師街のラーメン店は稀少で、いわば神奈川県最南端のラーメン店、よって来店客も後を絶たない。平日は地元客、土日は観光客が多いという。

鈴木 洋太郎店主

鈴木 洋太郎店主

看板メニューのとんこつラーメン

看板メニューのとんこつラーメン

とんこつラーメン

とんこつラーメン

この店の店長は鈴木洋太郎。横浜から移住してきた。
三崎港ラーメンのスープは、濃厚魚介とんこつスープがベース。特別な製法で長時間煮込んで作ったとんこつスープに、濃厚な魚介タレが味の決め手となっている。麺は、現在、自家製麵に切り替え、日本全国の小麦粉をブレンドして提供している。
メニューは各種とんこつラーメンが中心だが、三浦野菜がたっぷりの〝三崎ちゃんぽん〟も人気だ。

ラーメン

ラーメン

ちゃんぽん

ちゃんぽん

鈴木「とんこつラーメンというと、かなりこってり系のイメージがあるかもしれませんが、当店ではこってり系とあっさり系の良いところを引出し、魚介系出汁をブレンドして提供しています。関東のとんこつといえば横浜家系ラーメンで、若い人を中心に人気がありますが、中高年層には厳しいようです。当店のスープは、どこにもないオリジナルの濃厚魚介とんこつスープとして開発しました。スープのかえしは醤油か塩で、注文時に選ぶことができます。麺は全部で6種類、スープに合わせて作っています。トッピングも、ラーメンによって全部変えています。トッピングに使用する野菜の中では、特にもやしは良質なものを使っています。メニューは、とんこつラーメンだけで数種類揃えており、看板は〝濃厚魚介とんこつラーメン〟。三崎港をイメージする豊富な魚介類をトッピングに使用しています。同じくらいの人気メニューが〝三崎ちゃんぽん〟で、港町ならでのチャンポンの珍しさが人気を呼んでいるのかなと思います。また女性などに人気なのが〝魚介だしあっさり中華そば〟というのもありますので、いろんな種類を味わってもらえればと思います」

ラーメン

ラーメン

ラーメン

ラーメン

 

また、驚いたのは焼肉メニュー。肉は9種類で、全て国産の良質なものを使用。コース料理で前菜に焼肉、〆にはラーメンが楽しめる。このコースでは、飲み放題ドリンクセットも用意されており、12人位までのパーティもでき、家族連れにも人気だ。
聞けば、ラーメンは昼食と夜食が中心で、夕食のニーズが低い。そこで地元の顧客にアンケートで決めたのが焼肉だったそうだ。焼肉を提供するラーメン店は全国でも数が少なく、遠方から両方まとめて食べるために足を運ぶ人も増えているそうだ。

希少部位の高い牛肉を使った焼肉

希少部位の高い牛肉を使った焼肉

パーティーも可能な焼肉スペース

パーティーも可能な焼肉スペース

鈴木「この近くには焼肉店がなかったので、メニューに加えたらお客さんに喜ばれると思い始めました。普通、ラーメンはラーメン店、焼肉は焼肉店に行って食べますが、1店舗で焼肉とラーメンを楽しむことによって、お酒も一緒に楽しめるようになります。お子さん連れのお客様にも人気ですし、最近では仲間同士で貸切焼肉パーティをやってくれる人も増えています。コースは前菜2種類に〝飲み放題〟も込みで、1人5000円・2時間制となっています。コースを注文したお客さんは、みなさんお腹を一杯にして店を後にしていきます」

希少価値高い牛肉

希少価値高い牛肉

ミサキポートエールビール

ミサキポートエールビール

せっかくなので、いきなり三崎ちゃんぽんを食べようと思った欲求をおさえて焼肉セットを頂くことにした。ちょっと奇妙な居心地だが、キムチとナルムをつまみながら、ミサキポートエールビールを頂く。このミサキポートエールビールは、この街の活性化のためにオリジナルで造られているらしく、鮮度を保ちながら少量生産しかできないとのこと。たまたま小生は運が良かったらしく、こちらにもありつけた。焼肉が運ばれてきて、絶句した。

ラーメン店が片手間で用意できる代物ではない。高級和牛の部位である。おまけにタレは3種類に塩。そのうちの一つは、すき焼きのたれのようなものに卵の黄身が入っている。
まずはタン塩からはじまり、ランプとミスジを卵をといたたれで頂く。当然、ビール、おかわり!酒が進み、では、〆のラーメン。かなり満腹状態だったので相談したところ、冷製ラーメンもあるとのこと。

極楽につぐ、極楽。

鈴木 洋太郎店主

鈴木 洋太郎店主

オリジナル日本酒「遊鯉」

オリジナル日本酒「遊鯉」

鈴木「ラーメンは、10人いれば10通りの好みがあります。当店には常連さんもいますが、いろいろと好みを言ってこられます。こうした要望に対しましては、ここまで話してきたことも含めてできる限りの対応を行っています。焼肉メニューを加えたのに伴い、アルコール類も充実させた方がお客さんに喜ばれるため、山田酒店と一緒に努力しています。ミサキポートエールビールもその一つですし、遊鯉という純米酒も灘で造らせています。三崎には様々なお客さんが来られ、当店では、何度もお越しいただく方が増えていますので、今後も新たな取り組みを行って飽きのこないラーメン店を目指してゆきたいと思います」

三崎港ラーメンは、ただ者ではない。
毎日来る常連、遠くから訪れる人、そして家族連れで食事や焼肉パーティまでできてしまう。
三崎の街は、奥が深い。

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