神奈川県最南端ラーメンの銘店「三崎港ラーメン」独占インタビュー

【店舗情報】
店名:三崎港ラーメン(三崎港本店)
住所:〒238-0243 神奈川県三浦市三崎3-3-3
営業時間:平日 11:30~15:00・18:00~スープ無くなり次第終了/日曜・祝日 11:30~21:00
定休日:現在休業中
お店の公式HP

神奈川県最南端の人気ラーメン店

暖簾を潜ると、木目を基調とした温かみのある内装が印象的。暖簾そのもののデザインが、何とどんぶりと一緒。聞けば、日本人で初めて大英博物館で個展を開いたという澤田痴陶人氏の作品のデザインだそうだ。外観は、店舗が建てられた半世紀以上前のままで、漁師街の景観に馴染んでいる。この漁師街のラーメン店は稀少で、いわば神奈川県最南端のラーメン店、よって来店客も後を絶たない。平日は地元客、土日は観光客が多いという。

外観

左:店内 右:器に描かれている遊鯉

自家製麺と、こだわりの濃厚魚介とんこつスープ

三崎港ラーメンのスープは、濃厚魚介とんこつスープがベース。特別な製法で長時間煮込んで作ったとんこつスープに、濃厚な魚介タレが味の決め手となっている。麺は、現在、自家製麵に切り替え、日本全国の小麦粉をブレンドして提供している。メニューは各種とんこつラーメンが中心に、看板メニューは「濃厚魚介とんこつラーメン」。

「とんこつラーメンというと、かなりこってり系のイメージがあるかもしれませんが、当店ではこってり系とあっさり系の良いところを引出し、魚介系出汁をブレンドして提供しています。関東のとんこつといえば横浜家系ラーメンで、若い人を中心に人気がありますが、中高年層には厳しいようです。当店のスープは、どこにもないオリジナルの濃厚魚介とんこつスープとして開発しました。スープのかえしは醤油か塩で、注文時に選ぶことができます。

スープに合わせた自家製麺とトッピング

とんこつラーメン

とんこつラーメン

関東のとんこつといえば若い人を中心に人気な横浜家系ラーメンですが、中高年層には油の多さや、食べた時の味の濃さがあり、支持を得るにはすこし厳しいです。当店のスープは、こってり系とあっさり系の良いところだけを引出し、どこにもないオリジナルの濃厚魚介とんこつスープを開発しました。そのとんこつスープに魚介系出汁をブレンドして提供しています。スープのかえしは醤油か塩を注文時に選ぶこともでき、バリーエションにも気を使いました。

港町ならではの三崎ちゃんぽんも人気

三崎ちゃんぽん

同じくらいの人気メニューが「三崎ちゃんぽん」で、港町ならでのちゃんぽんの珍しさが人気を呼んでいるのかなと思います。また女性などに人気なのが〝魚介だしあっさり中華そば〟というのもありますので、いろんな種類を味わってもらえればと思います」

ラーメン店で良質な焼肉パーティーができる?!

パーティーも可能な焼肉スペース

驚いたのは焼肉メニューの存在である。ラーメン店ならラーメンしかないのが通常だが、ここにはなんと焼肉もできるという。肉は全部で9種類、全て国産の良質なものを使用。コース料理で前菜に焼肉、〆にはラーメンが楽しめる。このコースでは、飲み放題ドリンクセットも用意されており、12人位までのパーティもでき、家族連れにも人気だ。話を聞くと、ラーメンは昼食と夜食が中心で、夕食のニーズが低い。

そこで地元の顧客にアンケートで決めたのが焼肉だったそうだ。焼肉を提供するラーメン店は全国でも数が少なく、遠方から両方まとめて食べるために足を運ぶ人も増えているそうだ。鈴木「この近くには焼肉店がなかったので、メニューに加えたらお客さんに喜ばれると思い始めました。普通、ラーメンはラーメン店、焼肉は焼肉店に行って食べますが、1店舗で焼肉とラーメンを楽しむことによって、お酒も一緒に楽しめるようになります。

生きた酵母が売りの「ミサキポートエールビール」

ミサキポートエールビール

せっかくなので、いきなり三崎ちゃんぽんを食べようと思った欲求をおさえて焼肉セットを頂くことにした。ちょっと奇妙な居心地だが、キムチとナルムをつまみながら、ミサキポートエールビールを頂く。このミサキポートエールビールは、この街の活性化のためにオリジナルで造られているらしく、鮮度を保ちながら少量生産しかできないとのこと。たまたま小生は運が良かったらしく、こちらにもありつけた。

高級店にも引けをとらない希少価値高い牛肉を使用

希少価値高い牛肉

焼肉が運ばれてきて、絶句した。ラーメン店が片手間で用意できる代物ではない。高級和牛の部位である。おまけにタレは3種類に塩。そのうちの一つは、すき焼きのたれのようなものに卵の黄身が入っている。まずはタン塩からはじまり、ランプとミスジを卵をといたたれで頂く。どれも肉の旨味がでており、高級焼肉店にも引けをとらない美味しさである。

櫻正宗協力のオリジナル日本酒「遊鯉」もオススメ!

オリジナル日本酒「遊鯉」

焼肉を食べつつふとメニュー表を見ると、「遊鯉」という日本酒を発見。どんなものなのか気になり注文をしてみた。少ししてから遊鯉が運ばれてきた。ビンのパッケージは暖簾や器にも描かれている鯉の模様と同様の澤田痴陶人の代表作品『遊鯉』がデザインされていた。詳しい話を聞くと、創業400年もの歴史を誇る老舗酒造メーカー「櫻正宗(神戸市東灘区魚崎南町)」の協力により、オリジナルの日本酒を開発したと話してくれた。兵庫県産山田錦で醸した純米吟醸酒は程よい酸味と米の旨み、絶妙なキレがあり日本酒好きにはたまらない一品であった。

お酒のあとの〆はなんといってもラーメン

とんこつラーメン

美味しいお肉があれば当然お酒が進む。ビールを十分飲んだ後はお待ちかねの〆のラーメン。かなり満腹状態だったので相談したところ、冷製ラーメンもあるとのこと。極楽につぐ、極楽。三崎港ラーメンは、ただ者ではない。毎日来る常連、遠くから訪れる人、そして家族連れでの食事や、焼肉パーティまでできてしまう。

全てはお客様満足のために、飽きのこないラーメン店を目指す!

ラーメンは、10人いれば10通りの好みがあります。当店には常連さんもいますが、いろいろ好みを言ってこられます。こうした要望に対しましては、ここまで話してきたことも含め、できる限りの対応を行っています。焼肉メニューを加えたのに伴い、アルコール類も充実させたのも、お客様に喜ばれるためです。ミサキポートエールビールもその一つですし、遊鯉という純米酒も灘で造らせています。三崎には様々なお客さんが来られ、何度もお越しいただく方が増えていますので、今後も新たな取り組みを行い、飽きのこないラーメン店を目指してゆきたいと思います。

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