簡易裁判所における借金大国日本「日本経済」の行方は?
どうも昨年から今年にかけて、何だかいやな予感がしてならない。
当社のメインの事業に、「家賃滞納保証」というのがある。
最近では、お陰さまで「1200件」程度の管理をさせて頂いているから、当然、相当の「滞納賃料の取立て」という仕事が絡んでくる。
当然、「管理件数」が増えれば増えるほど、その「リスク」も増えて当たり前の話であるから別にどうということはないが、最近の傾向としては、
従来、ちゃんと「賃料」を滞らずに支払っていた人たちが「賃料」を滞納するようになった、というような傾向にある。
ちなみに、一昨年の年末には、管理件数「1000件」にたいして繰り越しの「滞納賃料」は「350万円」程度であったが、なんと、
昨年末の繰り越し「滞納賃料」は「1000万円」を超えた。
当社の場合、上記の「管理委託契約」を受けるのと同時に、法律上「貸主の立場」を継承する「システム」であるから「法律的な手続き」も
代理人を介さず、自ら手続きを踏むことが多く、この手続きの数も「異常」に増えているのが事実である。
かつて当社の開発当時は、すべて私がこの手続きを行っていたが、最近は、当社の
「管理部門」スタッフも上記手続きは「得意」となっているから、そうそう私自身その「手続き」を直接的に行うことも少なくなってはきたが、
やはり「裁判」ともなれば、一応、同行することもある。
最近の「簡易裁判所」の「傍聴席」はいつも満員であり、ひどい時には座りきれずに立っている人が現れるくらい「大盛況」である。
我々が「賃料滞納」の「取り立て手続き」の裁判に行く「曜日」は、金融機関の「融資の取り立て」や、リース会社の「焦げ付き」などの
「支払命令」事件全般を行っている。
だいたい「簡易裁判所」で行なわれる「支払命令」事件の範囲は、あくまで「簡易裁判」ということが前提であることから債権額の上限も
「90万円」ということになっており、上記の「金融機関」などといっても「消費者金融」、いわゆる「サラ金」の「貸金の取り立て」事件が、
非常に多い。
従って裁判の性質上「債務者」が出てくれば、だいたいが「和解」に持込まれ「司法官」を交えて「和解文章」を作成するのであるが、
「サラ金」1社に「債務者」3〜5人が「数珠つなぎ」で別室に連れて行かれるものだからなかなか裁判も進行しない。
おまけに「債務者」は「個人」がほとんどであり「裁判」の要領もつかめず「裁判官」の「質問の趣旨」すら理解できないひとたちが、
裁判所の「被告人席」に立つのだから、よけい始末に負えない。
最近は、我々も開き直って「裁判」に行く日は「半日潰す」覚悟で「病院の待合室」と化した「裁判所の傍聴席」で、前記の「サラ金」対「債務者」の
裁判を自分の順番を待ちながら「見学」している。
さて、前記「サラ金の取り立て」事件で感じることであるが、その「債務者」は、必ずといっていいほど「1社」だけの借入れではなく、
借りている「金額」自体を本人が解っていない。さらに、自分が借り入れた「利息」についても、一切、解っていないひとが多い。
また、「債務者」は「女性」の「年配者」か「男性」の「若者」が多く「年配者」は「生活資金」が足りなくて借りてしまったひとが多いのに
比べて、「若者」は、断然に「遊興費」が多い。
「バブル崩壊」以降、「サラ金」業界は異常な「業績」を伸ばしてきたが、いよいよ、その「つけ」が回ってきた感がある。
「銀行」から借り入れた「住宅ローン」が払えずに安易に「サラ金」から「借金」して「他の返済金」に充ててみたり、今月の「生活資金」が
足りないからといって「サラ金」から借りて食いつなぐという行為は、単に「問題」を先送りにするばかりか「高利」が重く圧し掛かり、
さらに自分の「立場」を「悪化」させる、ということは誰でも解っているはずなのに、なぜついにここまで来てしまった、のだろうか。
それは、どこかの段階で「見切り」をつけるか「我慢」して耐えるとかして「自助努力」をしなければならない時に「見栄」とか「体裁」とかを
気にして、いちばん「大事な時期」に「大事な処理」を怠ってしまったことが「最大の原因」なのだろう。
さて、そこで「日本経済」である。
現状の日本のGDP(国内総生産)は480兆円である。そういう意味で日本は「健全」な「経営」をしていれば、まだまだ胸を張って
「経済大国」であるといえる「優秀な国」であった。
しかしながら1989年以降、日本を襲ったあの「バブル景気」は、日本人の「国民性」をも狂わすほどの偽りの「空景気」であり、
結果的にこれに踊ってしまった「企業」も「政治」も「官僚」も、そして一部の「個人」も、前記の「大事な時期」に「大事な処理」を怠ってしまった、のではないか。
いまでは、残念なことに「日本」の抱える借金は、隠れ借金を含めると430兆円程度と言われ、「借金」はこれ以上増やすことになれば、
いわゆる「均衡財政」は崩壊し、アメリカのように「造幣局」の輪転機が壊れんばかりに「紙幣」を印刷しまくるしかない。
こんな重要な時期にきているにも拘わらず、政府予算案は「税収」がたったの54兆円程度しか見込めないのに予算を
74兆円も組んでしまって、さらに「借金」を繰り返すつもりらしいから「日本政府」は本当にどうかしている。
かつて橋本総理が「火だるま」になっても「改革」は進めるなどといっていたが、最近、この「火だるま」の意味がどうもへんな意味に
取れてならない。
どうやら今回の決算期には「日本の企業」10万社のうち6万社が「赤字」に転落するようである。
「財政」が「赤字」だから「消費税」の税率を上げ、「特別減税」も打ち切り、反面、自分たちの「見栄」や「体裁」、おまけに「生活」が
大事だから、相変わらず「借金」を繰り返してでも「自分の立場」は確保する。どうもこの辺の「幼稚さ」は、あの「サラ金」に
裁判に掛けられている「多重債務者」に、どこか似ているものがある。
この「国民の利益」を無視した「政策」が続く間は、「自らの生活」は自らが守ってゆくしかない。
さて、本年度は「固定資産税の評価替え」の時期である。
だいたい、いつもと同様であれば、「4月の初めの1週間程度」が縦覧の期間となるから、ご自分の資産を閲覧して、万一、
「実勢相場」や「近隣相場」と比較して「不当に高額」であると思われる場合は、この「縦覧期間」であれば「異議の申立て」ができる。
ちなみに最近、私が売買した「藤沢のビル」などは、実際に取引きした金額は「1億6500万円」であるのに「固定資産税評価額」は
「2億4400万円」などと、とんでもない金額に評価されている。
「固定資産税評価額」は「登録免許税」「不動産取得税」等の評価の基準となってしまうから、この評価額が「不当」であるとすべての課税が
不当なものとなってしまうのである。
また、一部の地域では、「相続税の評価」にも影響してくるから、この評価額は非常に重要なものである。
当然、本件については、買主に代って「審査請求」等を通して是正されなければ「争う」つもりである。
せめて「不当な課税」についてくらいは、我々「国民」「県民」そして「市民」が、抵抗してもよいのではないか。
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