NOIは手取りの家賃になりますから、もしその物件をキャッシュで買っているなら、キャッシュフローもNOIとイコールになります。500万円位のワンルームであればそれも有るでしょうが、5,000万円のアパートだとなかなかキャッシュという訳には行きませんね。又、仮にキャッシュで買えるとしても、あえて借りた方が良いケースも有ります。このシリーズ最後のお話はローンのお話です。
今日は「ローン返済」についてのワンポイント解説です!
1.GPI(潜在総収入)(解説記事:第1話~第2話はこちら)
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2.空室損・未回収損 (解説記事:第3話~4話はこちら)
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3.EGI(実効総収入)(解説記事:第5話はこちら)
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4.OPEx(運営費) (解説記事:第6話~7話はこちら)
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5.NOI(純営業収益)(解説記事:第8話~9話はこちら)
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6.ローン返済(-)
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7.キャッシュフロー(+)
毎度お馴染みのキャッシュフローツリーでご説明します。
(5=NOI)-(6=ローン返済)=(7=キャッシュフロー)となりますから、当然ですがこの2つの関係は、(NOI)>(ローン返済)にならなければ、不動産投資をする価値も意味も無いですね。
ここで、ローンを検討する為の重要な公式をご紹介します。
★ローン定数計算の公式★
(年間返済額)÷(借り入れ金額)×(100)=(ローン定数(k%))★
※ローン定数とは、ローン調達コスト(%)と読み替えると理解しやすいです。一般的には何%の金利で借りるのか?に注意が向けられがちですが、実際の返済は金利だけを返すのでは無く併せて元金も返さなければならないので、借りた金額に対して、元利合わせた年間返済額を%表示で考える事により、結局何%の調達コストがかかっているか?を把握出来ます。
この公式を使うと、借金の効果を簡単に判定出来ます。
・・・これだけではピンと来ませんね・・・。では、具体例で説明します。
検討対象物件(価格:5,000万円の木造アパート)
1.GPI=+4,000,000円
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2.各種損= -200,000円(空室損5%・未回収損0%)
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3.EGI=+3,800,000円
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4.OPx= -520,000円(GPIの13%)
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5.NOI=+3,280,000円(ネット利回り6.56%)
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6.ローン= -?????円
ここで2つのローン案が有ったとします。
●A案:借入額:4,000万円、金利:3%、期間20年、変動金利
●B案:借入額:4,000万円、金利:4%、期間30年、変動金利
さて、この検討対象物件を購入するためにA案・B案、どちらのローンを借りるべきなのでしょうか? こんな時にこの「ローン定数計算の公式」を使って判断します。
●A案:年間返済額266万円 ÷ 借入額4,000万円 × 100 =(K%:6.65%)
●B案:年間返済額229万円 ÷ 借入額4,000万円 × 100 =(K%:5.72%)
A案なら(NOI:328万円)>(ローン:266万円)、B案でも(NOI:328万円)>(ローン:229万円)を達成してますから、少々キャッシュフローが少なくなっても、ローン期間が短くて金利も1%安いA案を採用! というように考える方がとても多いのですが、不動産投資理論では、ここで割り出したK%を使って以下のようにこの資金調達の有効性を考えます。
●A案:ネット利回り6.56%の物件を6.65%の資金調達コスト負担で購入する案
●B案:ネット利回り6.56%の物件を5.72%の資金調達コスト負担で購入する案
専門的にはA案を「ネガティブ・レバレッジ(逆レバ)」、B案を「ポジティブ・レバレッジ(順レバ)」と言います。つまり、レバレッジ(テコ)が正しく働いているのがB案、働いていないのがA案となるのです。
不動産投資事業は、寝ずに頑張って働いたら売上を倍増出来る事業ではありません。例えばこれがコンビニストアなら、天候不順等で一時的に売上が落ちても、色々な手を打ったり、寝ずに頑張ったりして月の売上を倍増させる事が可能ですが、不動産投資事業は、月々の最高売上は賃貸借契約により確定しています。寝ずに頑張ってもそれを倍増させる事は不可能です。
であるならば、同じ4,000万円を借りても、年間返済額が安く抑えられるB案の方が、金利は高くなったとしても有利だ!と考えられるのです。スタート金利が高くても、後々金利はディスカウント交渉が可能ですし、借り換えてしまう事も出来ます。つまり、不動産投資事業においては、金利より期間の方が重要度が高いのです!
今日も最後までお読み頂き有難うございました。
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