このシリーズでは、キャッシュフローツリーを応用して様々な投資分析を行う方法について解説して来ました。ちょっと難しく感じられた所も有ると思いますが、じっくり読み込んで頂くと概念自体は割りと簡単ですので、何かのタイミングで腑に落ちると思います。不動産投資分析の指標はまだまだ有るのですが、まずはこのシリーズでご紹介した各指標を理解して頂く事がとても重要だと思います。
今日は最終回になりますので、今までご紹介して来た各指標の因果関係から、不動産投資の健全性を確認出来るコツについてお話します。
いつものようにキャッシュフローツリーを用いてお話します!
検討対象物件(価格:5,000万円の木造アパート、諸費用400万円)
※各指標をクリックすると詳細記事に飛べます!
1.投資額=54,000,000円
↓
2.GPI=+4,000,000円
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3.各種損= -200,000円(空室損5%・未回収損0%)
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4.EGI=+3,800,000円
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5.OPx= -520,000円(GPIの13%)
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6.NOI=+3,280,000円(ネット利回り6.56%)
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7.ローン=-2,023,699円(借入額:4,000万円、金利:3%、期間30年)
↓
8.BCF=+1,256,301円(税引き前キャッシュフロー)
<手順1>
まず最初に計算すべきはFCRになります。FCRは(6=NOI)÷(1=投資額)×(100)ですから、(328万円)÷(5,400万円)×(100)となり「6.07%」となります。上記(6)の横に書いてあるネット利回り6.56%とは違う事にご注意下さい。
<手順2>
次にCCRの計算をします。CCRは(8=BCF)÷(1-7=自己資金)×(100)ですから、(1,256,301円)÷(1,400万円)×(100)となり「8.97%」となります。上記(FCR)より利回りが高くなっている事を確認して下さい。
<手順3>
そして最後にK%の計算をします。K%は(年間返済額)÷(借入額)×(100)ですから、(2,023,699円)÷(4,000万円)×(100)=「5.05%」となります。
<手順4>
そして最後に、上記3つの指標を「%」の小さい順に並べてみて下さい。
K%(5.05)<FCR(6.07)<CCR(8.97)
となっていますね! これが借入を使って収益不動産投資を行う場合の健全な不動産投資の各指標のバランスとなります。この形をしっかり頭に刻み込んで下さい!
(※各数字(%)については物件ごとにより借入条件により全て違います。重要なのは不等式に入る指標の位置関係です。)
この不等式の読み込み方のコツとしては、全額自己資金で買った場合FCR6.07%の収益不動産に対して、K%(5.05)のアパートローンを4,000万円使って、自己資金を5,400万円の出資から1,400万円の出資に抑えこの投資を行うと、自己資金利回り指標CCRが(8.97%)にアップした! と読みます。資金借入による正のレバレッジが効いていますね!
キャッシュ購入した場合に使うはずだった残り4,000万円は他の投資に回す事も出来ますから、単純計算で行けば、このような規模の収益不動産をあと2つ追加して買える事になります。正に効率性がアップしていますね!
キャッシュフローツリーを応用すると、このような計算が出来るようになります!
明日は第1話~第10話の総集編をお届けします。お楽しみに!
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