空室率の考え方について皆さんからの質問で多いのが・・・
「10部屋のうち2部屋空室だから、空室率は20%ですよね!」
という考え方。
これは間違いでは無いですが、正解でも無いんです!
今日も「空室損・未回収損」についてのワンポイント解説です!
例えば・・・、
・101:入居済み
・102:入居済み
・103:空室
・104:入居済み
・105:入居済み
・201:入居済み
・202:入居済み
・203:空室
・204:入居済み
・205:入居済み
このようなアパートが有った場合、10部屋のうち2部屋空室ですから、空室率は20%でしょ! 街中を歩いても、この程度の空室を抱えているアパートはざらにあるので、キャッシュフローツリーで見込むべき空室率は20%では?
このような質問をよく受けます。
これは正解でもあり不正解でもあります。
理由は空室率の考え方にあるのですね!
●時点空室率
調査時点での実態をそのまま採用する方法です。
10室のうち2室が空室なら、空室率は20%となります。
●稼働空室率
1年間の稼働月数のうちの空室月数が全体の何%なのか?という視点で空室率を計算する方法です。例えば上の例で言えば・・・
・10部屋を12ヶ月稼働させた場合の稼働総月数は120ヶ月(分母)
・2部屋空室がそれぞれ3ヶ月続いたので稼働しなかった月数は6ヶ月(分子)
・6ヶ月÷120ヶ月×100=空室率5%
●賃料空室率
上記稼働空室率と同じ考え方で、月数分母分子をそれぞれ賃料分母分子に置き換えて計算する方法です。
つまり、上記例で説明すると、確かに2部屋空室であるのは事実ですが、それで空室率20%と見込むという事は、それぞれの空室が1年間空きっ放しである場合であって、それぞれが3ヶ月程度の空室期間を経て新しい入居者が決まる見込みがあるのであれば、20%は過大な見積りとなってしまうのだ!という事になるんですね!
不動産投資理論で採用する空室率はこの「稼働空室率・賃料空室率が標準」であり、時点空室率は参考にはしますが計算上は使いません。
ここで再びキャッシュフローツリーを見てみましょう!
1.GPI(潜在総収入)(解説記事はこちら)
↓
2.空室損・未回収損(-)
↓
3.実質的な家賃収入(1-2)(+)
↓
4.運営費(-)
↓
5.手取りの家賃収入(3-4)(+)
↓
6.ローン返済(-)
↓
7.キャッシュフロー(+)
(2)の空室損・未回収損をどの程度見積もるか?によって、(3)の実質的な家賃収入は大きく変わってしまいますね! 実務上では、不動産の存する立地によって大きく変わって来ます。
例えば、東京23区内の駅から5分程度の徒歩圏にある収益ワンルームであれば、空室率は5%も見込めば十分だと思いますし、超田舎の電車網が無いアパートなのであれば、空室率20%でも見積り不足かもしれません。
「未回収損」に関しましては、貸し倒れ引当金的な位置付けの損失見積りであり、これも地域特性に影響を受けますが、こちらは賃貸管理を専門会社に任せた場合、会社によってはオーナー様の貸し倒れ分をバックアップしてくれるようなメニューもありますので、そちらを保険代わりに加入するのも良いと思います。
そのようにすれば未回収損に関しては計算上は見込まなくてOKになりますし、とにかく硬く硬く計算したい、というのであればご自身の許容出来る数字を入れて計算すれば良いと思います。
次回はその先のお話をしますね!
今日も最後までお読み頂き有難うございました。
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