収益不動産の真の実力は「FCR」でわかる!(キャッシュフローツリー応用講座 第4話/10)



前3回でお話して来た「DCR」という指標は、借入の安全性を測る指標でしたね! それに対して、今日からお話する「FCR」という指標は、その不動産が持つ収益力自体、もっとストレートに言えば、その不動産の真の実力を測定する指標です。

 



検討対象物件(価格:5,000万円の木造アパート、諸費用400万円)


1.GPI=+4,000,000円

2.各種損= -200,000円
(空室損5%・未回収損0%)

3.EGI=+3,800,000円

4.OPx= -520,000円
(GPIの13%)

5.NOI=+3,280,000円
(ネット利回り6.56%)

6.ローン=-2,291,593円
(借入4,000万円、金利4%、期間30年)

7.BCF= +988,407円
(税引き前キャッシュフロー)



「FCR」(Free & Clearly Return)とは「真の利回り」判定指標です!


★「FCR」の計算式★


「NOI(5)」÷「物件価格+諸費用」×「100」=「FCR」



お馴染みのキャッシュフローツリーを用いて説明します。
上記モデルスタディの場合(5)のNOI¥3,280,000円を、物件価格+諸費用の数字¥54,000,000円で割り、100倍した値「6.07%」がFCRの値となります。


NOI利回り6.56%との違いは、FCRの場合、NOIは分母が物件価格ですが、FCRの場合、分母が購入諸費用まで含んだ総投資額としているので、より厳しい(正確な)利回りが得られます。


この「FCR」は、不動産投資の効率性を検証する代表的な指標です。
上記モデルスタディでの値6.07%は、検討する収益不動産を仮にキャッシュで買った場合に期待出来る真の(手取りの)利回りとなります。上記計算式を見れば一目瞭然ですが、物件価格+諸費用の5,400万円というキャッシュを使ってその収益不動産を買った場合、手取りのキャッシュフローが328万円になりますので(ローンが無いのでNOI=BCF)、328万円は総投資金額に対して6.07%の利回りになりますね!


つまりこのFCRの値が判れば、投資するお金を運用する際の効率性を判断出来ますので、どの収益不動産に投資するべきか? あるいは、他の金融商品(株、外貨預金、投資信託等)との間での比較も可能となります。


キャッシュフローツリーをマスターすると、このような計算が出来るようになります!


明日は第5話をお届けします。お楽しみに!

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