陶器と磁器の違い

陶器と磁器の違いについて

焼き物は大きく分けて、陶器と磁器にわかれます。

陶器と磁器の一番の大きな違いは材料の違いです。
一般的に、陶器は土物、磁器は石物と言われています。

土物とは主に自然界に取れる粘土(地面を掘った時に出る粘土層)を原料とし、
石物とは陶石と呼ばれる石の粉(ガラスの材料で使われる長石、けい石を多く含有する)に
粘りを与えるために粘土を混ぜて使用するものです。

材料の違いはもちろん焼成後の特徴に変化を与えます。
粘土を主原料とする陶器はたたくと鈍い音がしますが、
石の粉を材料とする磁器は焼成後に半ガラス質となるため、
たたくと高い澄んだ音がします。

陶器は土の素朴な風合いや職人さんの手作業の温かさ感じられ、
磁器には表面の美しさや実用性の高さがあります。

陶器や磁器といっても神経質になる必要などありません。

洗い方も、洗剤は普段使っている、台所用洗剤で普通に洗っていただくことが可能です。。
長年使われると、急須や湯のみ、コーヒーカップなどは表面の細かい傷に
茶渋やあくがつき汚れてきますので、必要に応じて台所用の漂白剤で漂白してください。
陶器の場合は磁器に比べて、吸収性があるので、器を裏返しにして干すなど、
若干の工夫は必要です。

普段の生活の中で、焼き物に触れない事はほとんどと言って良いほど無いでしょう。
ご飯を食べるとき、コーヒーやお茶を飲むとき・・・。
そして、住宅に使われているタイル、お花の植えてある鉢、
トイレの便器やお風呂場のバスタブ・・・。
このように焼き物で出来ているものは、身の回りにあふれています。

案外気軽に楽しむことのできる、焼き物。
是非一度ご購入してみてはいかがでしょうか?

あなたの趣味のいっそう幅広いものとなることでしょう。


伊万里陶苑・磁器製造の行程

手・ろくろ

昔ながらの伝統を現在に引き継ぎ大きな花瓶、鉢、皿から小さな盃、湯呑みなど一つ一つを大切に造っています。

陶土:白磁は白さを追求するため一番よい陶石から少量 しか産出されない特上陶土を使用しています。又、自社で開発した独自の陶土や唐津焼系の陶土、萩焼の陶土など全国の陶土を自社に合うよう改良し使用しています。

削り:削りの時使用する道具『カナ』(かんな)は一つ一つ製品に合わせ造ります。トチリ(飛びカンナ)も特殊なカンナをもちい削りの時に細工して使います。

鋳込成型:袋物という土瓶、急須、徳利など陶土を液状にしたでいしょう(粘土)を、石膏型に流しこみ成型し削りを入れて仕上げます。

機械ろくろ:石膏型とヘラを利用します。回転する型とヘラとのすきまにねんど状の陶土をはさみ込んで成型し削りを入れ仕上げます。又、手、木べラを使い渦目やヘラ目を成型時に細工、加工する自社独特の風合を出します。

下絵付

絵付をする呉須を自社で調合し、独自の染付(あい)の色を数多く出しています。さまざまな形に調和する染付(あい)の色を使用し一つ一つ手で絵付を行っています。
又、古来中国からの技法を、自社なりの技法に展開し 、古風な感性から新しい感性まで幅広く絵付デザインを行っています。


上絵付

色絵具は主に、赤、緑、黄、青、紫を使用しています。この絵具すべても自社で調合を行い、色合いや透明感を重視して作り出しています。
すべて手で絵付を行い、古来からの技法から新しい技法まで、幅広い技法を駆使して絵付を行っています。金彩 などの金は、99%近い純金の粉を絵具にした物を使用しています。


上絵の焼成

焼成は、コンピュータ内蔵の電気炉を使用しています。焼成温度は、5時間で800℃まで上り、2時間キープします。電気炉のフタは、自動開閉式になっており600℃に達すると閉り、ガス(鉛)抜きなどに効果を発揮しています。


伊万里陶苑工房

痴陶人をはじめ伊万里陶苑所属デザイナーが数々の製品を世に送りだしている工房です。磁器の製造には伊万里陶苑独自の行程を持っており、また、伊万里陶苑ブランドの向上を目指して手間と時間を惜しまずデザイナーは仕事に励んでいます。

釉薬

30種類程の釉薬があります。この釉薬を土の種類によって、掛け分け、土のよさ、釉薬のよさを引き出しています。釉薬の原料として天然の柞灰(柞の木の皮)天然の土灰(雑木の皮)を水にさらし、1週間ほどねかせてアクを取り乾燥、そしてその他の原料と混ぜ合わせ釉薬を造っています。

窯(素焼)

素焼き行程に関しては一つ一つ手積で窯へ積み込み、約10時間程焼成、通 常の品物では約850℃~900℃で焼成します。物により焼成時間が15時間、そして焼成温度は900℃~950℃まで上げて焼成しています。

窯(本焼)

本窯に際しては焼物自体の最終段階なので今まで以上の気づかいが必要です。焼物というのは焼成時間が短いと、焼物自体の強度が低下するので当社では約24時間、火入れから火止めまで全行程を人間が操作します。温度チェック、火色のチェック、ゼーゲルのチェック(ゼーゲルとは、温度により変化する物)。この作業が焼物をより強い食器、作品を生み出すきっかけとなり、窯焼は「世話やき」と言われています。